2009年1月13日火曜日

要支援が包括支援センターになった功績と弊害

2005年4月から要支援の利用者が包括支援センターがケアプランを作成することになった。

個人的には地域包括支援センターの設置は良かったと思っている。

1つとして、ケアマネの支援を保健師、主任ケアマネ、社会福祉士のチームで行う点。
2つ目として、今まで制度の枠に乗ってこなかった非該当(自立)の利用者に目が向いた点。
3つ目として、今までの在宅介護支援センターというまったく別制度での支援ではなく、介護保険という公的保険の中で相談センターという見えやすい支援が行える点。

この3つは非常に福祉の向上に資すると思われる。



しかし、並行してデメリット(弊害)も多く発生している。

1つは、2000年に開始された介護保険は「事業所を利用者が選ぶ」という「自立から自律へ」の日本福祉の一大改革であった。しかし、予防(要支援)はケアプランを作る事業所を原則としては選ぶことができない措置と同じ制度にしてしまった。しかも、選ぶことができない地域包括支援センターの資質にも格差が出ていることは、厚生労働省が指摘している。

2つとして、制度を煩雑にしてしまった。介護が必要な要介護、要介護状態にならないための予防が必要な要支援と、まったく別制度のように取り扱うことで、制度を煩雑にし、利用者が選択し選んでいく制度に支障をきたしている。

3つとして、ケアマネジメントが必要な福祉・医療・インフォーマルをつなげるワンストップシステムであり、それこそがケアマネージャーの役割であったのだが、要支援と要介護でケアマネージャーが異なるというシステムになってしまった。特に要介護・要支援を行き来するような場合においては大きな弊害となる。また、制度が煩雑になったため、理解するのが難しく自己決定の妨げになっている。




この3点は2005年4月の導入時から弊害として言われていたことであるが、2008年4月の改正において、審議会等ではまったく触れられていない。


今年の4月から制度は改正されるが、デメリットを解消するのではなく、より制度が煩雑になっていく・・・

早く利用者との共同でケアプランを作成できるような制度になることを祈るばかりである。

0 件のコメント: